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Amazon Web Services、AWS IoT を発表

Amazon Web Services、AWS IoT を発表

2015/10/09 | 米国シアトル

グローバル規模のIoT データを処理、分析、実行できるアプリケーションを動かし、
数百万のデバイスと接続し、それらを管理可能な新しいプラットフォーム

Arrow、Avnet、Broadcom 、I ntel、Marvell、Mediatek、Microchip、Qualcomm、
Renasas、SeedStudio、およびTexas Instruments が、
AWS IoT に対応したハードウェアコンポーネントを含む IoT スターターキットを提供

Amazon.com, Inc. (NASDAQ:AMZN)の関連会社である Amazon Web Services, Inc. は本日、米国ネバダ州ラスベガスで開催されている AWS re:Invent で、自動車、タービン、センサー・グリッド、電球といったあらゆるデバイスを AWS サービスに容易に接続し、グローバル規模でコネクティッドデバイスが生成する大量のデータを保存、処理、分析、実行できる新しいプラットフォーム、AWS IoT を発表しました。各デバイスは AWS IoT の Device Gateway に接続され、それらのデバイスから送られてくるデータの処理方法のルールや、圧力センサーの数値が異常に高いときや、動作感知装置が作動したときに警報を発するといった、あらゆる条件が重なったときのアクションを設定することもできます。コネクティッドデバイスは通常、API を使用して、アプリケーション経由で動作しますが、不安定な接続状況や消費電力の制約により、常にデバイスが API コールを受けられる状態にあるとは限りません。AWS IoT は、各コネクティッドデバイスの仮想バージョンまたは「シャドー」を生成し、そこにデバイスの状態に関するすべての情報を蓄積し、常に接続可能な状態にすることで、アプリケーションがデバイスの状態をチェックし、接続が途切れた際は、再接続時に、実行すべきアクションをデバイスに自動的に送信します。AWS IoT は、デベロッパーがコネクティッドデバイスやモバイルデバイス、ウェブアプリケーションから AWS IoT の機能を容易に使用できる SDK を提供します。また、多くの半導体メーカーから、導入後直ぐに AWS に接続できる AWS IoT Device SDK を組み込んだ「スターターキットPowered by AWS IoT」が提供されます。AWS IoT に関する詳細は、以下のURL をご参照下さい。
https://aws.amazon.com/iot

今日、世界有数のメーカーやデベロッパー、企業、スマートシティの多くは、エネルギー測定や石油/ガス生産に始まり、フリート管理やスマートホームに至るまでの広範な IoT(モノのインターネット)アプリケーションを、AWS サービスを使用して稼働させています。しかし、製造機器や自動車、フィットネス機器、住居などの非常に多くの”モノ”と接続し、そこに組み込まれたセンサーからデータを収集する可用性と信頼性に優れたシステムを運営するには、莫大な開発コストとインフラ設備が必要になります。この複雑な作業をこなすために、企業は、アプリケーションとデータをやり取りできるようにデバイスのプロトコルを変換するカスタムミドルウェアを開発し、クラウドサービスやモバイルアプリケーション、さらには接続が安定せず、演算能力やストレージ、バッテリー寿命に制約のあるあらゆるデバイスとの間で大量のデータを同時接続できるインフラを整備する必要があります。AWS IoT は、分散する多くのデバイスに接続したときに使用量が増大しても対応できる従量課金性のサービスなので、各デバイスやクラウドサービス、アプリケーションと安全にデータのやり取りをしながら、常に最新の状態に保ち、それらが生成する継続的なデータ・ストリームを収集、分析、実行することができます。

AWS のモバイル担当副社長の Marco Argenti(マルコ・アルジェンティ)は、「IoT は、消費者にとっては日常の製品をよりスマートにし、企業にとっては従来不可能であった、より高機能なデータ駆動型の製品の提供を可能にする潜在性を秘めています。Phillips や NASA JPL、Sonos といった世界有数の組織はすでに自社の IoT アプリケーションのバックエンド・サポートに当社のサービスを使用しています。AWS IoT により、メーカーやサービスプロバイダー、アプリケーション・デベロッパーのエコシステム全体が、自社の製品をクラウドに容易に接続できるようになり、そこから収集したデータに基づいてアクションを実行し、現実世界と情報をやり取りする新しい水準のアプリケーションを開発できるようになります」と述べています。

AWS IoT を使うことで、お客様は以下のことを実現することができます。

  • デバイスとクラウド、およびデバイス間の接続が可能(Device Gateway およびAWS IoT Device SDK)
    デバイスは、HTTP と、センサーとモバイルデバイス向けに設計された業界標準の軽量な通信プロトコルである MQTT(Message Queue Telemetry Transport)の両方を使用し、Device Gateway を介してAWS IoT に接続されるため、使用するプロトコルに関係なく相互運用性を保つことができます。また、AWS IoT はその他の業界標準プロトコル、およびお客様が既に実装しているカスタムプロトコルをサポートし、使用するプロトコルに関わらず、デバイス間で直接通信することができます。AWS IoT は、デバイスの数の増加に合わせて拡張することができ、グローバル規模での低遅延の接続性と高いスループットを提供します。
  • データおよび通信のセキュリティの確保
    AWS IoT は、相互認証をサポートし、認証されなければ、デバイスとAWS IoT の間でデータが交換されることはありません。またコネクティッドデバイスとの間でやり取りするすべてのデータは暗号化されます。
    AWS IoT は、AWS Identity and Access Management(IAM)と完全に統合されており、個々のデバイスやデバイス群ごとに粒度の細かいパーミッションを容易に設定し、デバイスのライフサイクル全体を通じて管理することもできます。お客様が独自にセキュリティ証明書を生成し、既存のコネクティッドデバイスに組み込んだり、またはデバイスが初めてアクティベートされた時に、AWS IoT が新しいセキュリティ証明書を生成したりするように設定することも可能です。
  • デバイスのデータに基づいた処理、実行が可能(ルールエンジン)
    AWS IoT のルールエンジンにより、お客様はデバイス、AWS サービス、アプリケーション間でやり取りされるデータのフィルタリング、処理、ルーティングのルールを作成することができます。AWS マネジメントコンソール、AWS Command Line Interface(CLI)または AWS IoT API を使用すれば、センサーのような単一のデバイス、センサー群のようなデバイス群から送られてくるデータ、またはセンサー群とAmazon DynamoDB に保存されたデータといった、デバイスとデータソースが混在するデータにのみ適用するルールを作成することもできます。ルールを使うことで特定の条件を指定することもでき、例えば、認証時に Amazon Kinesis やAmazon S3、Amazon Redshift、Amazon Machine Learning、またはAmazon DynamoDB にデータをルーティングするように AWS IoT に指示することも可能です。具体的には、毎時、膨大な量のテレメトリー情報を生成するコネクティッド産業機器から AWS IoT にメッセージが送られてきた時、そのすべてがビジネスに関連するわけではありません。AWS IoT のルールエンジンを使用すれば、ポンプ圧といった、ある特定のセンサー・データをフィルタリングし、後で Amazon Redshift データウェアハウスにストリーミングし、分析できるように、その特定のデータのみを Amazon Kinesis Firehose にルーティングすることも可能です。AWS IoT のルールは、異常が検出された際、データを圧縮したり、プッシュ通知を送信するなど複雑なアクションをとるコードを AWS Lambda が実行し、オペーレーターに通知することもできます。お客様は、物理デバイスに干渉することなく AWS IoT のルールを更新できることから、多くのデバイス群のアップデートおよびメインテナンスに必要なコストと労力を削減することができます。
  • コネクティッドデバイスがオフラインでも、クラウドアプリケーションとの間でデータのやり取りが可能(デバイスシャドーズ)
    AWS IoT は、デバイスの最新の状態を保存するための各デバイスの持続的な仮想バージョンまたは「シャドー」を生成するため、デバイスがオフラインのときも、アプリケーションや他のデバイスは常にデバイスからのメッセージを読み取り、データのやり取りをすることができます。また、AWS IoT が提供する、常に利用可能な REST API を利用することで、お客様はコネクティッドデバイスとデータをやり取りするアプリケーションを容易に構築することができます。アプリケーションはデバイスの状態を読み取ったり、API コールを通じ、今後の望ましい状態を設定したりすることも可能で、デバイスが再接続したときに、デバイスに加えられた関連性のある変化のみを送信するように AWS IoT に指示することもできます。
  • 主要なハードウェア・メーカーから提供されるAWS IoT スターターキットにより、導入後直ぐに開発が可能
    新しい AWS ハードウェア・パートナープログラムにより、Arrow、Broadcom、Intel、Marvell、Mediatek、Microchip、Qualcomm、ルネサスエレクトロニクス、SeedStudio および Texas Instruments といった、増大する半導体メーカーのエコシステムが、AWS IoT SDK、および導入後直ぐに AWS IoT に接続できるハードウェアコンポーネントを含む、「IoT スターターキット by AWS」を提供しています。これらのスターターキットには、デベロッパーやメーカーが AWS IoT で実現可能なコネクティッドデバイスのプロトタイプを迅速に開発できる、広範なマイクロコントローラ、センサー、開発ボードが含まれており、以下の URL から購入いただけます。
    www.amazon.com,

Philips のヘルスケア・インフォマティクス、ソリューションおよびサービス担当最高経営責任者(CEO)の Jeroen Tas(ジェロエン・タス)氏は、「当社は、健康な生活と優れた医療連携体制をサポートするデジタルソリューションによって、人々が自らの健康を管理できる社会を目指しています。当社の HealthSuite デジタル・プラットフォームとそのデバイス・クラウドは、すでに700 万以上のコネクトした医療グレードのコンシューマ向けデバイス、センサー、モバイルアプリケーションを管理しています。今回、AWS IoT が提供されたことで、当社のビジョンの達成までの時間を大幅に短縮することができます。今後は、異種混合デバイスからリアルタイムに送られてくるデータの取得、処理、実行が容易に行えるようになります。当社の製品と、それらがサポートする医療ケアは今後、より一層パーソナライズ化され、スマートになっていくでしょう」と述べています。

NASA and Jet Propulsion Laboratory(JPL)は、太陽系全体を見渡す計測機器を有し、そこから得られるデータにより人類に大きな貢献をしています。これらのデータのほとんどはすでにクラウドで処理されており、日々増加しています。NASA による試用により AWS IoT は高い評価を得ており、今後、NASA がモバイルデバイス、スマートデバイス、カンファレンスルーム、クリーンルームなどに設置されたセンサーから提供されるデータを統合、処理するのに、クラウドの演算能力を使用できることを実証しています。AWS IoT は基礎的な AWS サービスと統合されることで、NASA JPL が有益なコネクティッドIoT 体験を開発できる、とても強力なプラットフォームとなります。

AWS IoT をサポートするAPN パートナー
AWS IoT プラットフォームを拡張するための、さらなる IoT ソフトウェアおよびサービスを、多くのお客様が求めており、このニーズに応えるべく、AWS パートナーネットワーク(APN)のパートナーは AWS IoT と連携するオペレーティングシステム、マネジメントプラットフォーム、アナリティクス、サービスを提供しています。

例えば、Micrium および Ubuntu オペレーティングシステムは AWS IoT Device SDK を実行し、AWS IoT に接続できる能力を備えています。ワイヤレスアップデートやリモート診断など、その他のデバイス管理機能を必要とするお客様は、Ayla Networks、Cirrus Link、Thingworx、および Xively といった APN パートナーが提供するサービスをご利用いただけます。データが AWS に取り込まれた後は、APN パートナーの Splunk を通じて、そのデータに基づいたインサイトや予測を得ることもできます。最後に、これらのすべての機能を統合し、特定の用途に向けカスタマイズしたいお客様は、Accenture、Booz Allen Hamilton、Thinglogix、Two Bulls といった、APN のシステムインテグレータ・パートナーに相談することもできます。

アマゾンウェブサービスについて
2006 年にスタートしたアマゾンウェブサービス(AWS)は、米国、オーストラリア、ブラジル、中国、ドイツ、アイルランド、日本、シンガポールの各データセンター拠点を通じ、コンピューティング、ストレージ、データベース、データ分析、アプリケーション、開発などの広範なサービスからなるクラウド上で、堅牢で十分な機能を揃えた技術的プラットフォームを提供しています。世界 190 カ国以上で、スタートアップ企業、大企業、政府・官公庁など、100 万以上のお客様が AWS を利用し、素早い技術革新やITコストの削減、世界規模でのアプリケーションの拡張を実現しています。AWSに関する詳細については、以下の URL をご参照ください。
http://aws.amazon.com

アマゾン・ドットコムについて
Amazon は 1995 年 7 月に World Wide Web 上でスタートしました。Amazon は 4 つの理念を指針としています。競合他社ではなくお客様を起点にすること、創造への情熱、優れた運営へのこだわり、そして長期的な発想です。カスタマーレビュー、1-Click 注文、パーソナライズされたおすすめ商品機能、Amazon プライム、フルフィルメント by Amazon(FBA)、アマゾンウェブサービス(AWS)、Kindle ダイレクト・パブリッシング、Kindle、Fire タブレット、Fire TV、Amazon Echo、Alexa などは、Amazon が先駆けて提供している商品やサービスです。

 

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野見山 祐子
Email: yukotac@amazon.co.jp