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Amazon Web Services、AWS クラウドをコネクテッドデバイスで活用できる新たな 2 つのハイブリッドサービスを発表

Amazon Web Services、AWS クラウドをコネクテッドデバイスで活用できる新たな 2 つのハイブリッドサービスを発表

2016/12/05 | シアトル

AWS Greengrass、AWS Lambda と AWS IoT の機能を、あらゆるコネクテッドデバイス上で仮想的に稼働させることを可能に:本日よりプレビュー版の提供を開始
AWS Snowball Edge アプライアンス、
100 TB のデータ保存を可能にし、コンピュート及びストレージ機能も搭載

Amazon.com, Inc. (NASDAQ:AMZN)の関連会社である Amazon Web Services, Inc. は本日、米国ラスベガスで開催されている AWS re:Invent にて、新たな 2 つのハイブリッドサービス、AWS Greengrass と AWS Snowball Edge を発表しました。AWS Greengrass は、AWS のコンピュート、メッセージング、データキャッシュ、同期機能をコネクテッドデバイス上で稼働させることができるソフトウェアです。AWS Greengrass を使用することで、コネクテッドデバイス上で AWS Lambda の機能を稼働させ、タスクを実行し、デバイス上のデータを同期したり、他のデバイスと通信でき、さらに AWS クラウドで得られる処理、分析、ストレージ能力をフルに活用できます。
AWS はまた、Snowball データ転送アプライアンス、AWS Snowball Edge を発表しました。AWS Snowball Edge は、従来 AWS Snowball の 2 倍相当の最大 100 TB のデータを転送できます。
また、同梱される AWS Greengrass により、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) とのデータ交換、他の Snowball Edge アプライアンスとクラスタ化させたオンプレミスストレージプールの構築、または AWS Lambda によるオンサイトのデータ処理、分析を実現する、専用のハイブリッドエッジデバイスとして利用することもできます。AWS のハイブリッドソリューションについては以下の URL をご覧ください。
https://aws.amazon.com/enterprise/hybrid

AWS Greengrass は、コンピュート、メッセージング、データキャッシュ、同期機能をコネクテッドデバイスにもたらします。
IoT デバイスの普及により、多くの企業は工場内、油井、農地、病院、自動車、その他の様々な場所で利用されるコネクテッドデバイスといった、データセンター外に存在するオンプレミスのインフラストラクチャを管理する必要が出てきました。これらのデバイスのマイクロプロセッサには限られた処理能力やメモリしか組み込めないため、データの処理、分析、保存場所として AWS クラウドに大きく依存しているケースが多く見られます。しかし、クラウドのラウンドトリップの障害になる通信遅延や断続的接続といった問題から、クラウドに過度に依存することが最適でない状況も存在します。このような場合、いくつかのタスクを IoT デバイス上で稼働させる必要があります。しかし、IoT デバイス上でソフトウェア機能をプログラミングし、アップグレードすることは複雑で困難な作業です。ほとんどのデベロッパーは、組込みシステムをアップデートできる専門知識を持っておらず、ダウンタイムなしにアップデートできる人材はさらに少なくなります。

AWS Greengrass は、AWS Lambda と AWS IoT の機能をほぼすべてのコネクテッドデバイス上で稼働させることができるソフトウェアです。AWS Greengrass により、お客様は AWS クラウド上で実行するのと同じ方法で、AWS Lambda を使用してほぼすべてのコネクテッドデバイス上でコードを実行できるため、IoT デバイスのプログラミングやアップデートを容易に行うことができます。また、デベロッパーは AWS マネージメントコンソールから AWS Lambda 機能をコネクテッドデバイスに追加することで、デバイス上でコードを実行できるため、デバイスはほぼリアルタイムにイベントに対応し、アクションを起こすことができます。
また、AWS Greengrass には AWS IoT のメッセージング、同期機能が含まれるため、クラウドに接続せずに、デバイスから他のデバイスに直接メッセージを送信できます。AWS Greengrass により、お客様は必要に応じて、タスクの実行をクラウドに頼んだり、デバイス上で行ったり、互いに通信し合うなど、単一のシームレスな環境で、柔軟に対応できるようになります。

AWS の Mobile および IoT 担当バイスプレジデントのマルコ・アルジェンティ(Marco Argenti)は「他社に先駆けて大規模に IoT を実施している当社のお客様にとって、コネクテッドデバイスは自社インフラの多くの部分を占めつつあります。自社サービスをクラウドに迅速に移行していることからも、彼らにとって、これらの IoT デバイスは今後、自社で管理する最も重要なオンプレミスインフラとなっていくでしょう。これが次世代のハイブリッド IT です。お客様の中には、AWS 環境のシームレスな延長として、IoT デバイス上で演算タスクを実行し、データを処理したいという声が多くあります。AWS Greengrass は、コネクテテッドデバイス内に、好みの AWS 機能をセットにした“ミニ AWS”を組み込むことで、これを実現します。AWS Lambda と AWS IoT のメッセージングおよびセキュリティ機能により、お客様は同じプログラミングモデルを使用して、IoT デバイスと AWS クラウド全般にわたって IoT アプリケーションをシームレスに稼働させることができます」と述べています。

AWS Greengrass は、汎用 CPU を搭載し、ARM や x86 アーキテクチャをサポートする Ubuntu や Amazon Linux ベースのほとんどのデバイス上で稼働します。AWS Greengrass は、AWS Lambda 機能を作成するのと同じぐらい容易にプログラム可能です。既存の AWS 環境で使用している同じプログラミング言語やモデルを用いて、AWS Lambda 機能をコネクテッドデバイスに展開できます。これは、デベロッパーが自社のデバイスソフトウェアをクラウド上で構築、テストし、その後、すべてのデバイスに展開できることを意味します。AWS IoT のメッセージング機能を使用すれば、AWS クラウドに接続できない時でも、デバイスから他のデバイスにローカルネットワークを介してメッセージを送信することができます。また、AWS Greengrass は、AWS IoT のセキュリティおよびアクセス管理機能を使用して、接続する際に必ず、デバイスのデータを認証、暗号化します。そのため、身元が判明されない限り、デバイスやクラウド間でデータが交換されることはありません。

Intel や Qualcomm、Annapurna Labs など、多くの半導体メーカーのエコシステムが AWS Greengrass を自社プラットフォームに統合しはじめており、今後、AWS Greengrass 搭載デバイスとして提供されるでしょう。既存のコネクテッドデバイスで AWS Greengrass を利用したいお客様は、Amazon S3 や AWS マネジメントコンソールから、AWS Greengrass 実行環境をダウンロードできます。また、CanonicalのUbuntu Linux ソフトウェア向け Ubuntu Snap ソフトウェアチャネルアプリストアでも AWS Greengrass を配信予定です。

NASA の Jet Propulsion Laboratory (JPL)は、宇宙や地球上の過酷な環境で動作するマーズ・ローバーズ(Mars Rovers)など、複雑なマシーンを運用しているため、地球、火星、またその他の太陽系でコードを実行できるロボットの能力が重要となります。re:Invent 2016 では、JPL は Roy-E(Remotely Operated Vehicle for Education)上で動作する AWS Greengrass のデモンストレーションを行い、JPL のロボットがいかにプログラミングとテスト期間を短縮できるか、ということを示します。JPL は AWS Greengrass と協力し、オンラインとオフライン関係なく同じコードで、クラウド内でのビッグデータの演算と分析の実行を可能にします。そして収集されたデータの価値を最大限に高め、得られた専門的な洞察を素早く物理的な行動に移せるようになります。

コンピュート能力を備え、ペタバイト規模のデータ転送を実現する Snowball Edge
AWS Snowball は、セキュアなアプライアンスを使用したペタバイト規模のデータ転送ソリューションで、高速インターネット接続を利用した際のわずか 5 分の 1 のコストで、大容量のデータを AWS に、そして AWS から双方向に転送できます。2015 年 10 月に AWS Snowball データ転送サービスを発表して以来、お客様が AWS Snowball を物理的に移動させた距離は、地球 100 周以上におよびます。
新しい Snowball Edge アプライアンスは、従来の Snowball の耐久性、携帯性、セキュリティ、使いやすさの全てを兼ね備えながら、従来世代に比べて2倍のデータ(最大 100 TB)を保存でき、4 倍高速なネットワーク速度、内蔵 Wi-Fi およびセルラー方式ネットワーク通信、および Snowball Edge をクラウドに接続し Amazon S3 とデータをやり取りできる Amazon S3 互換エンドポイントを備える NFS インタフェースを新たに備えています。また、複数の AWS Snowball Edge をクラスタ化してストレージプールを構築したり、Snowball Edge を既存のデータセンターラック環境に容易に搭載することもできます。

AWS Snowball Edge には AWS Greengrass が組み込まれており、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)m4.4 xlarge インスタンスと同等のコンピュート能力で、オンサイトでタスク処理できます。これは AWS Snowball Edge 上で AWS Lambda の機能を実行し、データを処理できることを意味し、センサーデータの
収集と分析、マルチメディアコンテンツのコード変換、リアルタイムの画像圧縮、
Amazon S3互換ファイルサーバーのアプライアンス上での稼働が可能になります。AWS Snowball Edge の注文は、AWS Management Console 上で数回クリックするだけで完了し、Amazon S3 バケットや AWS Lambda の機能を設定することもできます。

AWS Snowball Edge が届いたら、お使いのネットワークに接続し IP アドレスを設定します。その後、同梱の Snowball Validation ツールを使って、AWS Snowball Edge をアンロックすることで使い始めることができます。AWS Snowball Edge には、従来の AWS Snowball と同様に暗号化とセキュリティ機能が備わり、保存されたデータは全て自動的に 256  ビット暗号化キーを使用して暗号化されます。暗号化キーは AWS Key Management Service(Amazon KMS)で一括管理できます。AWS Snowball Edge は、クライアント上ではなく、アプライアンス上で暗号化されるため、より高い性能とデータ処理能力を提供します。

AWS のストレージサービス担当バイス・プレジデントのビル・バス(Bill Vass)は「昨年、AWS Snowball を発表したときのお客様からの反応には大変驚かされました。1 週間も経たずに Snowball の在庫がなくなったのです。Snowball の何が最も気に入っていて、次に何を期待するかについてお客様に尋ねたところ、『より大量のデータを転送したい』、『複数の Snowball をクラスタ化したい』、『一部のデータをアプライアンス上で処理したい』というフィードバックをいただきました。今回、真のハイブリッドエッジアプライアンスである AWS Snowball Edge を発表できることに大変ワクワクしています。AWS Snowball Edge は 1 週間以内に100 TB のデータを転送できるだけでなく、Snowball Edge がある地点と Amazon S3 の間でデータを転送し合う柔軟性や、複数の Snowball をクラスタ化したオンプレミスストレージプールの構築、Snowball Edge を AWS に送り返す前にオンプレミスでデータを処理できる能力などの恩恵を得られます」と述べています。

Philips は人々の健康を改善し、健康的な生活と予防、診断、治療、在宅ケアまで健康にまつわる一連の活動から、良い成果をもたらすことに焦点を当てた医療技術企業です。「ヘルスケア技術のグローバルリーダーとして、医療技術における世界的リーダーとして、私たちは、いつでもどこでも患者のアウトカムを改善するための革新を駆使して、世界中の数千ものケア提供者と何百万人もの患者をサポートしています。AWS Snowball Edge は私たちの重要なサービスを安全に、継続して医療機関に提供するにあたって、信頼できる新しい技術です。ネットワークのサポートがなくても、AWS がサポートするデバイス、アプリケーション、デジタルツールのクラウド対応接続された健康エコシステムである HealthSuite の革新的な機能を拡張することができます。

AWS のハイブリッドアーキテクチャ
AWS Greengrass と AWS Snowball Edge は、お客様が AWS クラウドと並行して自社インフラのすべてを容易に活用できるようにする AWS の包括的なサービス群に最新のサービスとして加わりました。他にも、統合ネットワーク向けにはAmazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)や Amazon Direct Connect、データ統合向けには AWS Storage Gateway や AWS Snowball、アイデンティティ統合には AWS Directory Service をご利用いただけます。オンプレミスのデータセンターにあるサーバーと AWS クラウド上で同じソフトウェアを稼働させたい場合は、最近発表され、2017 年中頃に提供開始予定の VMware Cloud on AWS をご利用いただけます。VMware 環境を AWS クラウド上で活用でき、両環境の間でアプリケーションをシームレスに稼働できる柔軟性を得ることができます。

アマゾンウェブ サービスについて
アマゾンウェブ サービス(AWS)は 10 年の間に、世界で最も包括的かつ幅広く採用されたクラウドプラットフォームになっています。AWS は、米国、オーストラリア、ブラジル、中国、ドイツ、アイルランド、日本、韓国、シンガポールおよびインドの 14 の地域の 38 のアベイラビリティーゾーン(AZ)で、コンピューティング、ストレージ、データベース、アナリティクス、モバイル、モノのインターネット(IoT)、およびエンタープライズ向けアプリケーションに関する 70 種類以上のフル機能のサービスを提供しています。AWS のサービスは、急速に成長しているスタートアップ企業や大手企業、および有数の政府機関を含む 100 万以上のアクティブなお客様から、俊敏性をさらに高めると同時にコスト削減を実現するインフラエンジンとして信頼されています。AWS の詳細については以下の URL をご参照ください。
http://aws.amazon.com

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